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映画「彼らが本気で編むときは、」

映画

偶然にも公開初日に観てきました。

自分で敢えて選ぶ映画ではないなーという感じのしっとり系なのですが、観ることができて本当に良かったです。

Yahoo! 映画で1.5点とかいう謎の低評価になっていたのが悔しい。

あらすぎるあらすじ

小五のトモ(柿原りんか)は母子家庭。ある日ママが新しい彼氏の元へ家出したので、トモはママの弟・マキオ(桐谷健太)の家で当分暮らすことに。

しかし、独身のマキオの家には「ちょっと変わった」同居人、男性から女性に変わったリンコさん(生田斗真)がいた。

リンコさん、マキオ、トモの三人で生活する二ヶ月間のお話。

 

どこまでネタバレするか悩んだ結果、すごくふんわりした紹介になってしまいました。公式だともう少し色々書いてたりするんですが、私は簡単な人物紹介だけで観たい派なのでこんなもんで。

 

 

リンコさんが女装男子にしか見えない問題

リンコさんはもともと男性の体で産まれてきたけれど、心は女性。手術を経て体は女性に。あとは戸籍だけ男性の状態。

なので、当然かもしれないんですけれど、初見で「お、男だ……」ってなってしまうビジュアルなんですよね。メイクも女性なんですけれど、やっぱり造形が男性。でも、仕草なんかは女性よりも女性的。

リンコさんは介護の仕事をしているのですが、同僚はともかく、施設利用者さんがリンコさんに対して普通に接していたのがちょっと意外というか、ほんとうに良かったよというか。鮫島製薬の斉藤さんが好きすぎる。いつもお世話になっています。(公式のキャスト紹介にもちゃんと斉藤さんが!)

リンコさんは自分の性別に関して辛いことが過去から現在に至るまでたくさんあったと思うのですが、その分めちゃくちゃ優しくて、リンコさんが傷つくようなシーンが訪れそうになるたび、これ以上リンコさんを傷つけないでと心の中で抵抗してしまいました。幸せになって欲しい……

リンコさんのお母さんの存在

リンコさんのラッキーだなーというのは二点。お母さんの存在とマキオの存在。

マキオの存在は劇中にもお母さんが話してくれているとおり。すてきな人に出会えて良かった。

そして、リンコさんのお母さん。「娘」であるリンコさんのことが一番大事で、小学生のトモにも容赦ないのが本当に怖かった。引いた。

現実では、リンコさんみたいに体と心の性が異なる人の親ってあんまり早いうちから認めてあげられないイメージが強いので、この点リンコさんは恵まれていたと思います。

自分がもし、親になったら同じように接することはできるのだろうか。「中学生だし、いつか治るだろう」みたいな考えをしないだろうか。考えさせられました。

編み物の効用

この作品ではタイトルにもなっているように編み物が出てくるんですよね。

嫌なことを言われれば、反撃せずに編むことでぶつける。そして、供養する。

この年になってようやく、やったらやり返すというのはあんまり正しくはないと教えられ、ずっとモヤモヤしていたのですが、こういうはき出す場所が必要なんだなというメッセージをどこからともなく受信しました。私はやられたら絶対にやり返すタイプ。でも、我慢して、飲み込んで、こうやって鎮火させる術を学ばねばならないな、としみじみ感じさせられました。本編とは直接関係ない私事ですけれども、もう一つの学びでした。